NHKエデュケーショナルのお仕事、紹介します。

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福山さんの所属する部署と、現在のお仕事内容を教えてください。

私の所属する特集文化部の美術班では、『日曜美術館』『美の壺』などの美術番組を制作しています。他には『オトナヘノベル』という10代から20代前半の若者の悩みを考える情報番組や、最先端のクリエーターたちがいろんな技法を使って映像を作る『テクネ 映像の教室』、料理バラエティー『妄想ニホン料理』も制作しています。同じ部の特集班ではBSプレミアムの新機軸の旅番組『チョイ住み』、マルチアングルドキュメンタリー『アナザーストーリーズ 運命の分岐点』ETV特集NHKスペシャルなど地上波や衛星波のさまざまな特集番組を、教養班ではEテレ『SWITCHインタビュー達人達(たち)』『100分de名著』などを制作するなど、提案次第でさまざまな番組に挑戦できる部署です。
私は、入社から2年間はこども番組を担当していましたが、「ドキュメンタリーも作ってみたい」という希望を出して平成24年7月、特集文化部に異動しました。以後『日曜美術館』『SWITCHインタビュー 達人達(たち)』などを制作してきました。最近、3年間温めていた特集番組の企画が無事通ったので、現在はその取材・制作を進めています。また、平成28年度は『プロフェッショナル 仕事の流儀』『探検バクモン』も当部署で制作することになったので、その企画も並行して進めています。

これまでに担当した番組の取材ノート

これまでに特に印象的だったお仕事を教えてください。

平成27年3月に初回放送したこども番組、『かおテレビ』ですね(初回放送は平成27年3月23日(月)~26日(木)Eテレ)。NHKハイブリッドキャスト(※)という、放送とインターネットを連携させる技術を使った実験的な番組です。最大の特徴は、視聴者自身がスマホを使って番組の主人公を自由にカスタマイズできる、ということ。放送中に作った顔がリアルタイムでテレビ画面上に表示され、トイレやピーマン、くるまといった、身近なものの“かお”になります。すると、物言わぬはずのトイレやピーマンが、普段考えていることや気持ちを表情豊かに歌ってくれるんです。視聴者自身のアクションがあって初めてリアクションがおきる、文字通り“インタラクティブな”番組です。インタラクティブ性をどう取り込むか、というのはテレビが抱える課題のひとつです。こどもにとっては“遊び≒学び”なので、インタラクティブであることと、とても相性がいいのではないか、というのが企画の出発点でした。
自分自身が顔を作ってあげたトイレがしゃべれるようになって「きれいに使ってね」と歌ってくれたらうれしいし、同時に「ちゃんと使ってあげなきゃ」って思いますよね。PRのため体験イベントも企画したのですが、そこで夢中になって顔を作って遊んでいるこどもたちを見たときはとてもうれしかったですね。

※NHKハイブリッドキャスト 
対応するテレビをインターネットに接続することで、放送と連携したさまざまなサービスを利用できる。スマートフォンなどの携帯端末と連携する機能もあり、クイズ番組を観ながら携帯端末で解答を入力し、結果をテレビや携帯端末に表示するなどのサービスを受けられる。

「かおテレビ」初回放送のテーマは"トイレ"
NHK局内で「かおテレビ」を実際に体験するこどもたち

最近の「挑戦」を教えてください。

昨年12月に放送したスペシャルドラマ『ビューティフル・スロー・ライフ』(平成27年12月24日(木)総合テレビで放送)です。この番組では、プロデューサーの1人として制作に携わりました。当社でドラマ番組を制作するのは異例のことですが、「4K」(※)技術を活用した映像コンテンツを開発するため、この番組に取り組むことになりました。
仕事の内容は、7月末頃の脚本打ち合わせに始まり、音楽打ち合わせ、キャスト事務所との出演交渉、スケジュールや予算管理、現場での危機管理、番組広報全般、番組ホームページの更新など多岐にわたりました。今回の制作チームは、ほとんどが普段映画を制作しているフリーランスの方々だったので、NHKのスタジオや施設を使用したロケなどの際に必要な関係部署との折衝・調整も、私の重要な役目でした。
ドラマの制作というのは初めての経験でしたが、監督の演技指導、撮影監督の入念なカメラテスト、大勢のスタッフが一丸となって行うリハーサルなど、高いクオリティーの作品に仕上げるための工夫や妥協のなさには、大いに刺激を受けました。ドラマに限らず、今後の番組制作にぜひ生かしていこうと考えています。
また、「4K」の映像の美しさは想像以上でした!細部まで映し出す「4K」映像のクオリティーの高さを活かして、美術や自然をテーマにした番組を作ってみるのも面白そうです。機会があったら手がけてみたいと思っています。

※「4K」
現在放送されているハイビジョンの4倍の画素数による高精細映像の規格

福山さんの働き方の特徴って何ですか?

仕事じゃないときも頭の片隅には番組のことがあり、面白いことがないかと、常にアンテナを張り巡らせています。例えば以前、『SWITCHインタビュー 達人達(たち)』(「鳥嶋和彦×加藤隆生」平成26年7月5日(土)Eテレで放送)に、「リアル脱出ゲーム」を考案した加藤隆生さんに出演していただいたことがあります。私がプライベートで「リアル脱出ゲーム」にハマっていたことがきっかけ。日常生活の経験も、すべて仕事につながる糧になっていますね。
また、思いついたことはすぐに人に話して、情報交換しながら企画に落とし込んでいくのも私の特徴だと思います。ほとんどの場合、まず周囲の人たちにアイデアを伝えて、そのフィードバックをしっかり受け止めながら、企画を掘り下げていきます。視聴者が求めているものかどうか、そこを大切にしたいからです。そして、それを形にすること、これが仕事だと思っています。

『ビューティフル・スロー・ライフ』PR会場で本番前に最終チェック

ありがとうございました。

次から次へとアイデアが止まらないという様子が印象的だった福山さん。新しい番組への挑戦心にあふれていました。最後に「どんな人がこの会社に向いていますか?」と質問を投げかけたところ、このようなメッセージが届きました。

この会社に向く人はどんな人?

自分の芯をしっかり持ち、なおかつ人の意見に耳を傾けて“協働”できる人。 私たちは地上波・BS合わせて多種多様な番組を制作しているので、体育会系、文化系、芸術系、研究者系、どんな人でも大歓迎です。 あらゆる個性を活かせる仕事なので、ぜひエントリーしてください。

福山 穣 ふくやま ゆたか
2010年入社
特集文化部